日本の農業について考える【兼業農家の不安と現実編】

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blog_20180819

8/12に日本武道館へプロレスを見に行ったこともあり、今年のお盆は8/13に帰省していました。僕の地元では13日の朝にお墓参りに行くのですが、実家に着いたのが夕方前だったので、そこからお墓参りをして朝に上げたお供え物を片付けてきました。田舎はお供え物で生の食べ物を上げるのでカラスに荒らされちゃうんですよね。

ところで、上の写真は実家の近所の田んぼや畑です。こういうところで生まれ育ったので当たり前の光景なのですが、実際、米や野菜の作り方って全然わかりません。実家も兼業農家なので子供の頃から田植えや稲刈りを手伝っていましたが、一から作れと言われたら何をしたらいいかわからないくらいです。

帰省するとここ数年は毎回実家や近隣の農業事情の話になります。親としては実家に戻って農家を継いでほしいというのが本音なのですが、僕はまだやりたいことがあるので実現は難しそうです。
ただ、実家も含め、近隣のほとんどの農家が同じ悩みを抱えているようです。その為、農業についてはなんとかしたいという想いがあります。

跡継ぎ不足・人不足・高齢化問題

やはり全国的な問題なのは、跡継ぎ不足でしょうか。少子高齢化の社会で、自分のように若者は都会に出てしまいます。地方は特に若者が少なく、僕の地元も例外ではありません。実家や近隣の農家の平均年齢はおそらく65歳くらいかもっと上だと思います。家に80歳以上のおじいさんしか残っていないということも少なくありません。実家では最近、そういった近所の親戚や近隣の田んぼも手伝うようになったそうです。

この問題に対して、複数の農家が共同で取り組む集落営農も増えてきました。例えば、稲刈りであれば組合でお金を出し合い大きなコンバイン(稲刈りの機械)を購入します。一度に刈る稲の量も増えますし、収穫した米を巨大なホースで運搬用のトラックに流し込むこともできたりするので、人手も少なくて済みます。

コンバイン
※コンバインのイメージ

ちなみに、この写真のコンバインでも数百万もします。農業機械は高額でさらに大きなコンバインは数千万単位になるそうです。最近はネットオークションなどで中古農機が安く手に入りますが、動かないとかエンジンがかからない等のトラブルが多いので、故障した時にメーカー対応がないとかなり困ります。
もちろん、これ以外にも田植え機なども必要になるので、元々大規模ではない農家が出せる金額ではなく、お金を借りるにしても高齢者になると難しくなってきます。また、集落営農にしても高齢化問題は解消されません。動ける若い人といっても、60代とかになるからです。

土地を手放せない・手放したくない

田舎は特に代々引き継がれた土地に住んでいるので、いくら住む人がいなくなったとしても土地を手放せないという感覚があります。農地にしても持っているだけで税金はかかります。働くのが難しい高齢者は収穫の利益を何割か渡す代わりに集落営農で使ってもらえると農地を放置しないで済みます。または、農地を探している農業法人に土地を貸し出すという方法もあります。ただし、自分の農地に他人が入るということを受け入れられない人もいるでしょう。おそらく、僕の実家はそういうタイプだと思います。

新規参入しても続かない

脱サラして都会から田舎に引っ越し、自然の中で農業をしながら生活したいという人は以前から増えてきました。僕の地元でもそういう方がたまに来るそうです。しかし、現実は農業を始めてもなかなかうまくいかない、田舎が不便で困るといった理由でやめてしまうことが多いそうです。

たしかに、田舎は都会と違って娯楽も少ないし、大自然を見ても最初は感動するけど毎年見たら当たり前になってむしろ不便さが気になってくるかもしれません。自分も都会に引っ越してしまったので、なんとなく理解できます。

農林水産省も農業への新規参入を勧めていますが、これに地方の農業問題を解決してもらうのは難しいと感じました。

それでも考えることが大事

ここ数年、実家に帰る度に農業をどうするのか話し合ってきました。都会で過ごしている僕と実家では理想と現実のギャップがすごくあって、意見を言ってケンカみたいになったこともあります。

でも、親も動けるのがあと何年あるかわかりません。死んでしまったらどうするのか話し合うこともできません。結局、解決策は見つかっていないのですが、現状を知って何ができるのか考えることは大切なのかなと思いました。

ちなみに、祖父も現役で父より元気なんじゃないかってくらいのスーパーおじいちゃんなのですが、やっぱり話も面白いです。昔って今みたいに便利じゃないので、自分で何でもできちゃうんですよね。だから、頑固っていうものあるけど、問題を乗り越えていくパワーがすごいです。家の前に橋が架かってるんですけど、自治体から橋を作ると言われた時に、橋が小さいからそれなら自分で作るって言ったら今の大きさの橋を作ってくれたというエピソードを聞いて、自分もちょっとうまくいかないくらいで凹んでる場合じゃないなと思いました。

それでは最後に学生の頃家でゴロゴロしてたら祖父に言われた言葉を。

「そこでゴロゴロしてたって時間は止まってくれねぇぞ」